くも膜下出血について
くも膜下出血とは脳を保護する「硬膜(いちばん外側)」・「くも膜」・「軟膜」の3つの層から成り立つ脳膜のうち、くも膜と軟膜のすき間にあるたくさんの太い動脈から出血することで起こります。
症状
- 突然の持続する頭痛
- 瞬間的に痛みはじめた頭痛
- 今までに体験した事の無い様な頭痛
- バットで殴られた様な頭痛
- 激しい頭痛
くも膜下出血の前兆の症状
くも膜下出血の前兆症状として特筆すべきは、血圧の激しい上昇と下降です。頭痛も起こり得ますが、その強さはさまざまです。その他、視力低下、めまい、吐き気・嘔吐、意識の低下といった症状を伴います。
多くの場合、これらの症状は一度現れてから消失という段階を踏んで、くも膜下出血にいたります。症状が現れたときにすぐに受診し、必要な検査を受けることが重要になります。
原因
くも膜下にはり巡らされた脳栄養血管の一部が切れる事ですが、多くは特徴的な病気が隠れています。
くも膜下出血を発症した日本人の約9割は、脳動脈瘤と呼ばれる動脈のコブからの出血と考えられています。脳動脈瘤には先天的素因による嚢状動脈瘤・動脈硬化による紡錘状動脈瘤・ストレスや動脈硬化による解離性動脈瘤があります。
一部の嚢状動脈瘤は家族発症が認められており、くも膜下出血もしくは未破裂動脈瘤が見つかった方がご家族内におられれば、発見される可能性が幾分高いと言えます。
一般的に脳ドックにて約5%の方に未破裂動脈瘤が見つかるとも言われています。
治療法
脳動脈瘤が原因であるくも膜下出血の患者さんにとって最も危険な事は、再出血です。
破裂した脳動脈瘤が、もう一度出血(再破裂)する事(特に24時間以内が要注意)は良く知られています。再破裂によりくも膜下出血が増え、脳のダメージがより深刻になり、生命の危険が高くなります。
この再破裂を防止する為に行われる治療が手術です。
代表的な手術の方法には、開頭手術と血管内手術の2通りの方法があります。
また未破裂動脈瘤も出血(破裂)予防、つまりくも膜下出血予防のために手術治療を考慮すべき場合があります。未破裂動脈瘤の破裂率は年間約1%ですが、5mm以上の大きさのもの(部位によってはさらに小さくても)・形がいびつなもの・経過観察中に大きくなってきたものはより出血しやすいと判断されます。
すべての動脈瘤が直ちに手術適応となるわけではありませんが、破裂する可能性が高いと判断されれば手術治療を勧められるでしょう。