私たちは、目から得られる情報だけでなく、内耳の機能で得られた情報を脳に伝達して、自身の体勢や周囲の空間の状態を認識しています。
一般的にめまいは、内耳機能の障害、精神的ストレス、ウイルス感染を原因として起こりますが、その他にも脳の病気や異常が引き金になることもあります。主だったもので言えば、脳の血流の不足、脳幹の機能低下、脳腫瘍、頭部外傷、脳卒中などがこれに該当します。

脳梗塞とは、動脈硬化や血栓が生じたことなどによって、脳の血管が詰まってしまった状態です。
めまい以外にも、言葉が出づらい、身体の片側の麻痺・しびれなどの症状を伴います。
MRIを用いた診断が可能です。

頭蓋骨の中にできた腫瘍は、すべて脳腫瘍としてまとめられますが、大きくは原発性のものと転移性のものに分けられます。
めまい以外にも、頭痛、吐き気・嘔吐、視力の低下などの症状を伴います。
脳梗塞と同様、MRIやCTを用いた診断が可能です。

何らかの原因によって、脳の血管が破れてしまった状態です。
めまいの他、頭痛、吐き気・嘔吐、身体の片側の麻痺・しびれなどの症状を伴います。
MRIやCTでの診断が可能です。

脳を覆う膜（くも膜）で血管が破れ、出血している状態です。ほとんどが、脳動脈瘤の破裂によって生じます。
めまいの他、激しい頭痛、吐き気・嘔吐、意識低下などの症状を伴います。
重篤な後遺症が残ったり、命にかかわる事態に陥ることも少なくないため、脳動脈瘤が生じている段階でMRIやCTにより早期発見し、対処法を検討することが重要です。

めまい、またそれに伴うふらつきは、低血圧時などにも起こる、私たちにとって身近な症状です。
しかし、その裏に上記のような脳疾患が隠れていることもあります。また、たとえ急を要するめまいでなかったとしても、ご自身でコントロールできるものではありません。日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。
急なめまい、ふらつきといった症状が現れたときには、ぜひ一度、当院にご相談ください。